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基本ルール

(王先生)

1. 石は黒→白の順番で、線と線がぶつかっているところに交互に置く

囲碁は碁盤と碁石という道具を使い、線と線のぶつかっている交点に石を置きます。
そして最初は黒から置き、黒→白→黒という順番で交互に置いていきます。
上の図は黒が1、白が2、黒が3、白が4という順番で石を置いたという意味です。

2. 「陣地」の多いほうが勝ち

囲碁では、同じ色の石で囲まれた交点の1つ1つが自分の陣地になり、その陣地が多いほうが勝ちとなります。上図は対局が終わった後の形です。黒が右側、白が左側とそれぞれに陣地を持っているのがわかりますか。

どちらが勝っているか、実際に交点の数を数えてみましょう。
そしてここで1つ覚えていただきたいのが陣地の単位。囲碁では陣地の単位を「目(もく)」という言葉で表現しますので、
黒(小さな●)=9目(もく)
白(小さな○)=8目(もく)
9-8=1なので、この勝負は黒の1目勝ちということになります。

3. 石は囲うと取れる

石の周りを囲むとその石を取ることができます。
上の図を見てください。黒石の周りに赤い線が出ているのがわかりますか。

この線を全部行き止まりにすると、その石を取ることができます。

取ったあとはこのような図になります。

4. 打てないところ(着手禁止点)とその例外がある

上の図のAのように、黒から打っても逃げ道が1つもない場所には打つことができません。
黒にとってのAの場所を「着手禁止点」といい、ルール上打つことができない場所になっています。

着手禁止点にも1つだけ例外があります。逃げ道がない場所でも、そこに打つことで相手の石を取ることができるときには、着手禁止点に打つことができるのです。 上の図のAは逃げ道がない場所ですが、

黒1と打つと白△の2つの石を囲んでいるのがわかりますか? この白△2個を取ることができるので、黒は1に打つことができるのです。

取った後はこのような形になります。

5. 「コウ」のルール

(1図)
最後はコウという少し特別なルールです。
上のような形があった場合、

(2図)
黒は白△の石を取れるので(着手禁止点の例外)、黒1と打つことができます。

(3図)
取ったあとはこのような形に。

(4図)
そして今度は、白が2と打って黒△を取ることができます。

(5図)
取った後はこのような形に。あれ、よく見てみると、1図と同じ形ですね。
このまま打っていくと永遠に取り返しが続いてしまうので、1つの決まりごとがあります。

(6図)
黒1のように打たれたら、白はすぐにAと取り返すことができないという決まりがあります。

(7図)
白は2とどこか別のところに打ち、黒も3ともし別のところに打ってきたら、

(8図)
今度は、白4と取ることができます。
次の黒もすぐには取り返せず、一回別のところに打ってから取り返すことが出来ます。
(もし7図黒3で△の位置に黒が打てばこの形は終わりになります)。
これを未来永劫の「劫」という字を書いてコウのルールと言います。

(吉岡)

そう、「ルール」はたったこれだけです。まるで、純LISP基本5関数のような美しさ。数学で言うところの「公理」に近い感じ。理系っぽい感じがしてきたでしょう? もしかしたら、この単純さが、かえって囲碁の敷居を高くしているのかも知れません。ルール (文法) は簡単だが、実際に打つ (コーディングする) となるとなかなか思うようにいかない。これも、プログラミングと似ていませんか。他にも細かいルールがありますが、Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%B2%E7%A2%81 等に解説がありますのでご参照ください。

それから、この特別囲碁教室で先生役をして下さった、万波佳奈四段、王真有子先生に加え、CEDEC CHALLENGE本番でご協力頂く王唯任四段が講師を務める囲碁教室が、毎週金曜日夜7時から新宿の「囲碁サロン天元」で開かれています。三先生が、楽しく、基礎から教えて下さいます。名前が「若者囲碁教室」となっていて、参加をためらわれるかもしれませんが、囲碁の世界は一生ものです。世間では「若者」ではなくても、囲碁の世界では皆さん「若者」になれます。詳しくは、http://www.igo-tengen.com/class.html をご覧下さい。

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