[芸術科学会(NICOGRAPH)×CEDECコラボセッション]サウンド×AI×ゲーム


講演形式
レギュラーセッション
講演時間
09月05日(木) 11:20 〜 12:20
資料公開
予定あり
受講スキル

特にありません。サウンド以外の分野に興味がある方にも有益なセッションになるよう企画したいと考えています。

得られる知見

・音楽・サウンド表現とAIに関するアカデミック分野での取り組みと俯瞰的知見

・インタラクティブな音楽・サウンド表現に向けたAIの活用法に関するアイディア

セッションの内容

「AI」と総称される技術を活用した表現への応用が世界的にも盛り上がりを見せており、その分野は音楽表現はもちろんのこと、ミキシングや音響合成などのサウンド分野への拡がりもみせています。これらをゲームに応用するために前向きにとらえる方もいれば、漠とした不安やおそれを感じる表現者の方もいることでしょう。

 

長年、アート・テクノロジー・エンタテインメントの架け橋を学術分野からになってきた芸術科学会では、音楽・サウンドの研究も重要な領域の一つです。本セッションでは「広義のAIと表現」の研究や実践に取り組む方々を多方面からお招きし、音楽・サウンド×ゲームの立場から『AIという概念の今日的な整理と音表現のための程よい距離感』について議論・考察する場として、パネルディスカッション形式にて実施します。

 

※ 本招待セッションは、芸術科学会(NICOGRAPH)とのコラボレーション企画セッションとなります。

 

芸術科学会の公式サイト: http://www.art-science.org/

伊藤彰教

東京工科大学

メディア学部

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<講演者プロフィール>

芸術科学会理事/東京工科大学メディア学部特任講師
学生時代は慶應義塾大学SFCにて、サウンドアート制作やインタラクティブ・サウンドの研究に取り組む。勤務先の東京工科大学では、アニメ・シネマサウンドの表現技法研究、コンテンツ制作ワークフローとそれを支えるインフラ開発、音楽理論を基盤としたジェネラティブ・ミュージックなどの研究に従事。近年では、音楽を含むゲームサウンドを「インタラクティブ・エンタテインメント・サウンドシステム」として捉え、ゲームサウンドの総合的な構造分析や「主観的聴取点」という概念から多様なコンテンツの音表現研究に取り組む。

<受講者へのメッセージ>

音楽・サウンド表現とAIに関する今日的な取り組みを整理・俯瞰し、今後のゲーム業界にどのように活用できるかを、産業界のみなさまと共に考える契機になれば幸いです。
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伊藤 貴之

お茶の水女子大学

理学部情報科学科

教授

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<講演者プロフィール>

1992年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了,日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所研究員.1997年早稲田大学にて博士(工学).2005年お茶の水女子大学理学部情報科学科助教授.2011年同大学教授.2014年から2016年まで芸術科学会会長.2019年から同大学文理融合AI・データサイエンスセンター長.著書「CGとビジュアルコンピューティング入門」「意思決定を助ける情報可視化技術 -ビッグデータ・機械学習・VR/ARへの応用-」など.学生時代にはクラシック音楽サークルの指揮者を歴任.会社員時代にはインディーズ音楽活動にも参加.バンドでのCDマイナーデビューや,DTM自作曲のFM放送番組テーマソング採用などの経験がある.

<受講者へのメッセージ>

音楽の制作・分析・推薦にAIを絡めた研究に着手しています.未来のデジタル音楽について皆様と議論できれば嬉しいです.
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江渡 浩一郎

国立研究開発法人産業技術総合研究所

人間拡張研究センター

主任研究員

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<講演者プロフィール>

国立研究開発法人産業技術総合研究所 主任研究員、慶應義塾大学SFC特別招聘教授、メディアアーティスト。東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。産総研では「利用者参画によるサービスの構築・運用」をテーマに研究を続ける。主な著書に『ニコニコ学会βのつくりかた』(フィルムアート)、『進化するアカデミア』(イースト・プレス)。2017年、科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)受賞。
ゲームについては、『ジョイメカファイト』(1993)、『風水先生』(1996)、『くまうた』(2003)の制作に関わる。『くまうた』では、演歌の自動作曲エンジンを担当した。

<受講者へのメッセージ>

AIとエンターテインメントの関係は、いまちょうど始まったばかりだと感じる。くまうたで、演歌の自動作曲エンジンを制作していたとき、ルールベースの作曲で、なかなかバラエティが増やせなかったことを覚えている。今後の展開について議論するのを楽しみにしています。
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三宅陽一郎

株式会社スクウェア・エニックス

テクノロジー推進部

リードAIリサーチャー

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<講演者プロフィール>

京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。理化学研究所客員研究員、東京大学客員研究員、九州大学客員教授、IGDA日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、DiGRA JAPAN 理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。著書に『人工知能のための哲学塾』『人工知能の作り方』。共著に『FINAL FANTASY XV の人工知能 – ゲームAIから見える未来』『ゲーム情報学概論』『絵でわかる人工知能』『高校生のための ゲームで考える人工知能』。監修に『最強囲碁AI アルファ碁 解体新書』『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』などがある。

<受講者へのメッセージ>

デジタルゲームの人工知能の発展は、ゲームの中のAI(メタAI、キャラクターAI、ナビゲーションAI)から、ゲームの外のAI(開発をサポートするAI)に広がり、両者が相互作用する中で形成されて行きます。またプランニング、ビヘイビアツリー、パス検索と言った伝統的な人工知能から、強化学習、遺伝的アルゴリズム、データ解析とより技術の領野を広めつつあります。現在の状態を定義することは難しいことですが、なるべく多くの方にゲームAIの可能性をお見せできれば幸いです。
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