レギュラーセッション

XRで実現する共生のゲームデザイン(symbiotic game design)

講演形式
レギュラーセッション
講演時間
08月25日(水) 10:00 〜 11:00
講演ルーム
第6会場
資料公開
予定あり
受講スキル

ARやMR(Mixed Reality)が主題の講演となりますのでVR/AR/MRの違いなど基礎知識がある方を前提に講演します。1昨年のセッションをCEDiLで参照頂けますと幸いです。

https://cedil.cesa.or.jp/cedil_sessions/view/2011

得られる知見

共生のゲームデザインの手法、そしてインクルーシブ社会においてゲーム開発者が担える役割を紹介し、ゲーム開発者として、ゲームに閉じない新たな知見や世界観を得られるようにしたいと思っております。

セッションの内容

10年近いXR領域での取り組みの経験をもとに「共生のゲームデザイン」に至った経緯を説明しこの先にある現実をも変えられる未来のゲームデザインについて紹介します。

スマートフォンやヘッドマウントディスプレイ等でのXR体験は体験者と見学者を「分断」している状況を課題と捉え、デバイスで分断することなく見学者を含めて共感させる取り組みや研究をこれまで行ってまいりました。

XRの革新的なところは空間全体をエンターテインメントにできるところです。そのためには遊ぶ人だけでなく、見学者も含めた全ての人が共感し体感できるゲームの設計「共生のゲームデザイン」の仕組みが新たに必要になると思います。

昨年のCEDECでは「現実空間をレベルデザインする。建築・都市領域と共創することで「新しいアソビ体験を生み出す手法」とゲーム開発者の新たな領域と役割について」として、ゲーム開発者は、現実世界すらも設計、シミュレーションできる「力」を手にしており、この「力」を手中にできるのは、ユーザーを含めたレベルデザイナーであり、それは「現実を扱う」レベルデザイナーという新たな役割の創出に繋がります。としてレベルデザイナーの新たな役割について紹介しました。今回のセッションでは、このテーマをさらに深く踏み込んで「現実を扱う」ゲームデザイナーの新たな役割に関して紹介します。

さらに「共生のゲームデザイン」に向けた具体的な実施例としての取り組みも紹介します。遊ぶ人自身が満足すればそれでよかったXR体験からその空間にいるすべての人が共感し体感できる「共生のゲームデザイン」を通して「インクルーシブ社会」を見据えた内容となります。よろしくお願いいたします。

本山博文

㈱バンダイナムコ研究所

イノベーション戦略本部 プロデュース部 事業化推進課

クリエイティブディレクター

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<講演者プロフィール>

2019年4月1日に設立されました株式会社バンダイナムコ研究所に在籍しています。
GDCA(北米ゲーム開発者会議)会員、日本バスケットボール学会会員。

近年の主な業績としてSIGGRAPH ASIA 2018にて"The player is the star” - Futuristic vision for Mixed Reality WorldがVR/AR award VR/AR technology, Content award 2nd placeを受賞。
登壇実績は、
- VRST 2018 Opening Keynote - The Impact of VR on entertainment
- GDC 2018 VRDC ”Pac-Man HoloLens: Developing a Mixed Reality Game for a Broad Audience”
- SIGGRAPH ASIA 2018 course "From Video Game to Digital Playground"
https://www.slideshare.net/hirofumimotoyama
- CEDECでは、2009年、2014年、2016年、2018年、2019年、2020年と登壇しています。

<受講者へのメッセージ>

今年もオンライン開催へ変更となり皆さまと直接お会いしお話できないことが残念ですが、より多くの方々に見ていただけるチャンスでもあります。現実空間を舞台にしたゲームデザインに関して、XR技術を使ったアミューズメント施設の開発運営やR&Dの実例を通して必須となる共生のゲームデザインに関してこれまでのビデオゲームのゲームデザインでは捉えきれなかった領域を紹介します。昨年のセッションと同様に、未来への妄想を掻き立てる刺激的なセッションにしたいと思っております。ご参加、よろしくお願いいたします。
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高橋 徹雄

(株)バンダイナムコアミューズメントラボ

開発本部 企画部 企画2課

課長

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<講演者プロフィール>

2018年設立の株式会社バンダイナムコアミューズメントラボに在籍しています。
近年主に親子向けのアミューズメント施設コンテンツ開発に関わっており、バンダイナムコアミューズメントの「遊びパークプラス」にて稼働している「屋内砂浜 海の子」や、立川高島屋様8Fで運営中の「屋内冒険の島 ドコドコ」などで開発プロデューサーを担当してきました。
バンダイナムコスタジオ時代にVRコンテンツの「MAX Voltage」で、CEDEC AWARDS 2017 企画部門の優秀賞にノミネートいただきました。

<受講者へのメッセージ>

技術からのアプローチよりも、お客様目線でのコンセプト開発の側面で、親と子どもの2属性それぞれのニーズに対し体験価値をどう作るか、屋内の空間での「子どもの遊び」という枠に、冒険体験というテーマをどう解釈して具体的にどんな手段で落とし込もうとしたかといった開発過程の試行錯誤を含めたお話ができればと思っています。
どうぞよろしくお願い致します
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岩田 永司

㈱バンダイナムコ研究所

エンジニア

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<講演者プロフィール>

2011年バンダイナムコゲームス入社。
内製ライブラリの開発に約2年従事したのち、VRやAR/MRを主軸とした研究や試作を開始。
参加プロジェクト:サマーレッスン、PAC IN TOWN、Funguageなど
講演:CEDEC 2013/2014/2019、Unite 2018、Siggraph Asia 2018など
作品展示・発表:GDC 2019、Ars Electronica 2017, 2018, 2019、第2回 未来の学校祭

<受講者へのメッセージ>

気候、生活、テクノロジー、そして人間の思考と行動。これらは刻一刻と変化してくもの…とはいえ最近の変化は急激すぎてヤバいですね。そんな時、一時的に現実を忘れて想像の世界で遊べるのは人間の素晴らしい能力の一つ。XRは、その人間の偉大な想像力を現実世界の面白さや魅力を再発見するのに活用できる手法だと思います。私のパートでは、そんなXRの試みのひとつをご紹介します。
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