最優秀賞
エンジニアリング部門
業界の技術発展に貢献したQA支援システムの開発技術やノウハウ

株式会社セガ
龍が如くスタジオ ドラゴンエンジン開発チーム

©SEGA

受賞者からのコメント


龍が如くスタジオの設立10周年となる記念すべき年に、このような名誉ある賞をいただき、大変光栄です。
スタジオ設立以来、ゲーム開発における様々な技術や知見を発表・共有してきたことが、今回の賞につながったのではないかと考えております。また、今回最優秀賞をいただいたQA支援システムは、スタジオ設立以前から地道に改良を重ねてきたもので、ドラゴンエンジン開発で培われた最新技術の一つになります。品質保証という分野において、エンジニアリングとして認められた上で受賞できたことに、QAエンジニアとして、深く感銘を受けております。
今後もゲーム開発の過程で得られた技術や知見を幅広く共有し続けることで、微力ながら業界全体の技術向上に貢献してまいりたいと思います。ありがとうございました。

プレゼンターからのコメント


この度はエンジニアリング部門 最優秀賞の受賞、誠におめでとうございます。
例年エンジニアリング部門は幅広いジャンルからノミネートがあり、今回もレンダリングからAI活用の実績評価まで、幅広いノミネートがありました。今回の受賞ですが、「QA支援システムに関する情報発信を通じ、ゲーム業界の技術発展に貢献いただいた点」が評価されており、特に、龍が如くシリーズの開発知見の共有を通じた、長年にわたるゲーム業界への貢献が高く評価されているのが大きな特徴かと思います。
昨今のゲーム開発においては、コンソール・スマートフォンを問わず大型化と多様化が進み、リリースサイクルの高速化・安定化を支えるQA支援の重要度は増す一方です。そんな中、ドラゴンエンジン開発チームから発信された情報を、ゲーム開発の参考にされた方も多いのではないでしょうか。
きっと末永く続くであろう、龍が如くシリーズの開発知見を今後も共有いただき、QA支援だけでなく、ゲーム業界の発展も支えていただければ幸いです。最優秀賞の受賞、おめでとうございました。

ノミネート理由

開発現場、ビルドエンジニア、QAエンジニアが連携し、自動化ツールやプロジェクト管理ツールを組み合わせる事で統合的なQA支援システムを開発。その開発技術やノウハウを多数共有し業界の技術発展に貢献したことを評価。

ゲームデザイン部門
ゲームとしてニッチな分野に強く光を当てたテーマ選択とこだわり

えーでるわいす


受賞者からのコメント


まさか最優秀賞を戴けるとは思っておりませんでした。
ありがとうございます。
天穂のサクナヒメのゲームデザインを振り返ると、
部分部分でマイナスにも取れる様な粗が少なくありません。
にも関わらず、それが稲作というコンセプトやストーリーと合わさった時に
負の面も含めてプラスに転じて評価されたという様な所があり、
今回の成功は実力というよりは運に依る所が
大きかったのではないかと反省しております。

開発上の問題も数多くありましたが、
しかしながらそれ以上に得るものも多くあったプロジェクトでした。
これを糧にして、今後もより良いゲームを作ることができるよう、
挑戦を続けていきたいと思います。

プレゼンターからのコメント


最優秀賞を受賞されました「天穂のサクナヒメ」を開発されたえーでるわいすの皆様、誠におめでとうございます。

米食の文化を持つ日本では、水田の風景や稲作作業が非常に身近なものでありながら、実際にその体験を知る人は決して多くはないのではないかと思います。
その「稲作」というニッチなテーマを突き詰めた題材の掘り下げと、見事なゲームデザインにより、稲作の苦労や喜びを体験として具現化し、果ては食育にまでその影響を及ぼしたことは、今後のゲーム開発においてのテーマ選択に新しい光をあて、勇気づけられるものでした。
突き詰めたテーマ性がゲームの枠を飛び越え、我々の食やそれに関係する方々へ届くような体験を作りえたことは、数多あるゲームの中でも特筆すべきタイトルであると思います。
この度は本当におめでとうございました。

ノミネート理由

稲作というニッチなテーマを突き詰めて突き詰めて見事にゲームとして成立させたこだわりとデザインは非常に秀逸。そのニッチなテーマだけに頼ることなく、全体的なゲーム性のバランスも取れている。どんなニッチな分野でもこだわりとデザインを丁寧に行うことで、ゲームとして成立しうるという見本となり、これからの新たなテーマ開拓に勇気を与えてくれた。

サウンド部門
異国の歴史を題材とした作品を現地の人間がプレイして違和感の無い水準で完成させているサウンド演出

Sucker Punch Productions
「Ghost of Tsushima」サウンド開発チーム


受賞者からのコメント


サウンド部門のCEDECアワードを受賞するなんて本当に光栄です!
『Ghost of Tsushima』は、三大陸にまたがるグローバルチームが情熱をもって取り組んだプロジェクトでした。歴史や文化の専門家の方々によるご指導と、Playstation Japanのオーディオチームの協力により、その時代に合ったサウンドを生み出すことができました。私にとって最大の思い出は、チームがこのような素晴らしい賞を受けたことはもちろんですが、日本を旅行して本作用のサウンドを収録したことです。日本の美しさを見て、聞いて、ついでに味わったことは忘れ難い経験でした。サッカーパンチの皆を代表して、CEDECに、そして本作の「音の世界」を作り上げたチーム全員に感謝したいと思います。サッカーパンチのオーディオチーム、サウンドデザイン・音楽・音声に関わったPlaystationのパートナー、シネマのサウンドデザインとローカライズ音声のミキシングを担当したMolinaire社、日本の環境音を収録した北原恵一さん率いるチームの皆さん、サウンドデザインの一部を担当したFormosa Interactive社のアラン・ランキンさん、そしてもちろん美しい劇伴音楽を生んだ梅林茂さんとイラン・エシュケリさんや彼らが率いるチーム、ありがとうございました。

― ブラドリー・マイヤー、オーディオディレクター

プレゼンターからのコメント


「Ghost of Tsushima」サウンド開発チームの皆様、最優秀賞受賞おめでとうございます。

日本の歴史を題材にしたゲームとして、どのような日本を、そして元寇を表現をしてくるのか、ユーザーの皆さんはとても期待をしたことと思います。

文化や環境などを綿密に調査し、それをゲームの中に再現することで得られる没入感のあるサウンドは、その芸術性の高いBGMと合わさりストーリーの背景にあるものまで描写しているようで、とても素晴らしいものでした。

招待講演でもお話していただきましたが、日本人である我々がプレイしていても違和感なく引き込まれるセリフのローカライズもまた素晴らしいものでした。

今後も高い技術と芸術性を追求した作品を期待しています。

本当におめでとうございます!

ノミネート理由

異国(日本)の歴史、芸術、文化をSIEの全面バックアップを受けつつ真摯に調査し、現地の人間(日本人)がプレイしても違和感なく没入出来るような台本作成、ボイスディレクション、楽器の使用といった非常に難易度の高いローカライズを達成している点を評価。

ビジュアルアーツ部門
日本人の感情に訴えかける力をもった総合的なビジュアルクオリティ

Sucker Punch Productions
「Ghost of Tsushima」開発チーム


受賞者からのコメント


今回の受賞、大変うれしく思います。世界中のプレイヤーが『Ghost of Tsushima』のビジュアルに共感してくれたことにチーム一同感謝しています。そしてこのプロジェクトのために時間を費やし、情熱を注ぎ込んでくれた日本のチーム、『Ghost of Tsushima』という世界を作り上げるにあたりご指導くださった専門家の方々にもお礼申し上げます。最後に、このゲームを忘れられない作品にしてくれたアートとグラフィックの技術チームにも、この場を借りて「ありがとう」と言わせてください。

― ジェイソン・コーネル、アート/クリエイティブディレクター

プレゼンターからのコメント


この度はCEDEC AWARDSのビジュアルアーツ部門で受賞された皆様にお祝いを申し上げます。今年の受賞作品はどれも個性豊かで、それぞれ違ったアプローチでキャラクターや物語を魅力的に表現しており、とても高い完成度を誇っていました。

そんな中、「Ghost of Tsushima」開発チームは、海外のスタジオでありながらも日本の情景を美しく描き、多くの人の心を打ちました。日本の文化に対する情熱や黒澤明監督へのリスペクトが伝わる圧倒的なビジュアルは、綿密なリサーチとそれを実現する高度な技術の集大成でした。

最先端のグラフィックで時代劇の主人公になりきれるゲーム体験は、日本に住む人々にとって改めて自分たちの歴史、文化そして自然を振り返り、大切に思う、素晴らしいきっかけになったと思います。

改めまして、「Ghost of Tsushima」開発チームの皆様、最優秀賞の受賞おめでとうございます。

ノミネート理由

黒澤映画へのリスペクトと”和”の魅力を深く堪能させてくれる、高品質なビジュアル。
四季の表現、時間経過、天候変化、全てが美しい。
アニメーションも高い技術力でストーリーと共に感情に訴えかける力があった。
時代劇に没頭させてくれる、総合的なビジュアルとアニメーションの高い品質が評価できる。

 
特別賞
マーク・サーニー(Mark Cerny)氏

受賞理由

歴代プレイステーションの設計・開発に深く関わられ、素晴らしいゲーム体験を可能とするプラットフォームを提供するとともに、「クラッシュ・バンディクー」や「ラチェット&クランク」といったプレイステーションを代表する多くのヒット作の制作にも参画してきた。ハード・ソフトを問わず”遊び”を常に最先端でリードすることで、ゲーム産業の発展を支え、業界をけん引し続けている。

プロフィール

2020年にソニー・インタラクティブエンタテインメント史上最大の規模でロンチした最新機プレイステーション®5を含む、近年のPlayStationプラットフォームのリードシステムアーキテクト。
ビデオゲーム業界で40年近くのキャリアを持ち、37のコンソールゲームおよびアーケードゲーム作品でゲームデザイナー、プログラマー、プロデューサー、ディレクターを務める。手がけた作品には『クラッシュ・バンディクー』、『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』、『ラチェット&クランク』、『RESISTANCE〜人類没落の日〜』、『KNACK』、『人喰いの大鷲トリコ』、『Marvel's Spider-Man』、『DEATH STRANDING』、『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』、『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』など歴代のプレイステーションで高い評価を受けた独占タイトルが含まれる。
1998年、自身のコンサルタント会社であるサーニーゲームズを設立。
2004年、International Game Developers Associationの生涯功労賞を受賞し「コラボレーションの達人」、「何でも屋」と称されている。
2010年、Academy of Interactive Arts & Sciencesの13人目の殿堂入りを果たす。