CEDEC2026 プロダクション分野インタビュー

PRD

プロダクション分野 阪上 直樹

プロダクション分野における最新の特徴を教えてください。

阪上

プロダクション分野は、コンピュータエンターテインメントにおけるプロジェクトやピープルマネジメント、品質保証(Quality Assurance、以下「QA」と表記)、ワークフロー、ナレッジ共有、ソフトスキルに至るまで、コンテンツを制作する上で一般的に認知されている実装技術"以外"のすべてといっても差し支えないほど幅広いテーマを扱っております。近年のAI技術の活用により、これらのテーマの自動化・効率化が加速度的に進んでいます。
また、私が主に担当しているQA分野では、開発スケジュールの早期からテストを行うことで品質と開発スピードの向上を目指す、いわゆるシフトレフトの潮流がみられ、AI技術との組み合わせでさらに発展する可能性を秘めています。

この分野で特に求めているトピックを教えてください。

阪上

先ほど紹介したテーマの中で、コンテンツを企画・制作し、チームを立ち上げてそのメンバーを育て、品質を高めてユーザーに届け、その後の運営やサポートに至るまで、様々な過程・役割におけるノウハウを求めています。昨今のAI活用だけでなく、AIにより逆に先鋭化された人が行うべきことについても、その知見を求めています。
最近のQAではシフトレフトが進んでいますが、実際にQAのメンバーが早期にプロジェクトにアサインされた場合の具体的な役割や効果については、まだまだ知見が不足しています。具体的な事例とそれらを体系化した知見の両方を求めています。
そして、世界同時リリースが当たり前となった現在では、ローカライズやカルチャライズの技術やノウハウの必要性が高まり続けていますし、世界中のユーザーをサポートするための知見についても、参加者がぜひ聞きたい内容なのではないでしょうか。また、最近急成長を遂げているインディーゲームにおいても、世界に同時リリースされることが増えており、企画やビジネスモデルだけでなく、その制作過程や、テスト、リリース後のサポートの工程においても、特徴的なノウハウをお持ちではないかと思います。プロダクション分野としても、積極的にそういったインディーゲームの事例を求めています。

CEDECでの登壇メリットについてはどう感じていますか?

阪上

カンファレンス全般で言われることが多いと思いますが、カンファレンスに関わる全ての人の中で、講演者が最も知見を得られます。これが最大のメリットです。
その中でもCEDECでは登壇された方が主役になれる豊富なフィードバックの場を有しており、前回のCEDEC2025を例に挙げますと、講演後のフォーマルな質疑、熱量の高い聴講者が集まる「Ask the Speaker」、アンケート、交流パーティー(「Developers’ Night」や「Welcome Reception」)が実施されました。単に自身の講演の感想を聞けるだけでなく、これらの場で様々な経験や背景を持った参加者と直接議論を交わすことで、自身の次の課題やアイデアを得ることができるのではないかと思います。特に「Ask the Speaker」や交流パーティーにおける現地での偶発的なコミュニケーションにより得られるものは非常に多いため、登壇される際は積極的に参加することをおすすめします。

ご自身の経験や過去の応募者の反応から、応募するメリットはどう感じていますか?

阪上

応募内容を準備する過程で、自身の今までの取り組みの言語化や客観的な整理ができるというのは、一般的に言われているカンファレンスに応募するメリットだと思います。さらに、一定の成果が出たけれど、次のステップをどうするか悩んでいる場合は、応募するというアウトプットによって、一つの取り組みやアイデアに一定の区切りをつけて、次の課題に取り組むきっかけに活用できるかもしれません。
また、CEDECへ応募する際に、チームや会社に承認を得る手続きが必要となるケースが多いと思います。この手続きは、骨が折れることもあると思いますが、チームや社内に対して自分が行っている取り組みを共有するきっかけになり、自然と技術共有が進むという効果が得られます。さらに採択された場合は、チームや社内で積極的にリハーサルを行うことで、その効果は倍増します。CEDECに応募することで、ゲーム業界全体に知見を広げるだけでなく、チームや社内での理解が深まるので、直接今の仕事に役立てることができるのではないでしょうか。

最後に、応募するか迷っている方へメッセージをお願いします。

阪上

せっかく講演に応募するのなら、理想通りのものが完成して大きな成果になるまで待ちたいと思うこともあるかもしれません。私もそうでした。しかし、今応募することで、現在や将来の取り組みにつながる様々な視点のフィードバックが得られ、応募しない場合よりもその進化は加速するはずです。もちろん、採択に至るには、聴講者にとって知見を得られることが前提となりますが、自身の技術向上に役立てながら、ゲーム業界の技術発展にも貢献することができます。今すぐ講演に応募して、ゲーム業界全体で一緒に知見を育てていく取り組みに参加してみませんか?