CEDEC2026 ゲームデザイン分野インタビュー
ゲームデザイン分野 石川 淳一
ゲームデザイン分野における最新の特徴を教えてください。
ゲームデザイン分野では「ゲームを面白くし、ユーザーの心を動かす」ことを目的にしたトピックを扱います。ゲームの設計だけでなく、企画やディレクション、サービス運営に至るまでゲームデザインに連なる幅広い領域を取り扱っています。
最新の特徴としては、ビデオゲームの浸透によって他の分野のエンターテインメントへとゲームデザインのノウハウが伝播し、それが更に「新しい遊び」としてビデオゲームにもフィードバックされるという相互作用の状況が生まれてきています。
この流れによってゲームデザインの知見が活かせる分野や技術も多様化しており、より大きな視点でゲームデザインというものを捉える必要があるのではないかと思います。
この分野で特に求めているトピックを教えてください。
前述のように幅広い知見を求めているため、ゲームの規模や種類、トピックにこだわらずに応募いただきたいです!
そのうえで、特に2026年に重要度が増していくであろういくつかのトピックを以下に紹介します。
ちなみにトピックは「どういうテーマで公募しようか?」「このテーマなら自分でも話せるかも」と考える材料程度で絶対視しなくても全然大丈夫です(と、トピックのテーマで一度も応募したことのない石川からのアドバイスです)
「コンセプトを軸としたゲーム開発やゲームデザイン」
ゲーム産業の成熟化に伴って、開発チーム内での認識の齟齬をなくし、チームで明確なゴールを持って主体的に開発を進行するためのゲームデザイン手法やコンセプト設計、チームビルディング技術が求められています。
「体験版やアーリーアクセスにおけるユーザーコミュニティとの共創」
プロモーションの手段として発売前にどのようにユーザーコミュニティと共創していくかが重要な課題となっています。製品だけでなく、体験版やアーリーアクセスをどのような設計にするかも問われる時代になっていると感じます。
「プレイヤーの好奇心や主体性のデザイン(Player Agency)」
プレイヤーがゲームの世界や物語の展開にどれだけ影響を与え、自分の行動によって結果を変えられるかという「影響力」や「選択の自由度」は、単にシナリオに対する直接的な関与でだけでない手法が増えてきていると思います。
「ゲームデザインにおける生成AIの活かし方」
すでに取り入れている開発者の方も多いと思いますが、以前のようなドキュメント整理や素材の生成だけでなく、ゲームデザインそのものに生成AIを活用する事例も増えてきている実感があります。そういった事例をぜひ共有してください。
「オープンワールドのステージ設計や配置技術」
作業量が膨大となるオープンワールドにおいて、いかにステージ設計や配置をクオリティを落とさず効率よく行うかの手法が求められています。
CEDECでの登壇メリットについてはどう感じていますか?
参加者が多いこともあり、マイナーな題材であっても何らかの反応をいただけるのはとてもありがたいと思います。
特に私は体験型エンターテインメントの分野で登壇することが多く
「こんなニッチな話題、誰も聞きたがらないのではないか?」
と不安を感じながら毎回登壇するのですが、実際に登壇してみるとたくさんの方から反応をいただけます。
また、そういった反応から、求められている情報や、自分にはない視点なども見つかることも多く、それが仕事へもフィードバックされてよい循環になることも多いです。
ご自身の経験や過去の応募者の反応から、応募するメリットはどう感じていますか?
自分自身、何度も公募していると、毎回、今年なにか公募できるネタはあるだろうか?と悩むのですが、その過程が今の自分が発信できることは何かを見つめ直すよい経験になっています。
そして、メジャーなテーマかどうかに拘らなければ、意外と話せるものが見つかるものです。そのテーマを整理して応募要項に言語化するだけでも大きなプラスになります。
最後に、応募するか迷っている方へメッセージをお願いします。
私自身が「体験型エンターテインメント」という、ビデオゲームの王道なジャンルからは大きく離れたテーマで何度も登壇させていただいているように、「自分の経験なんかわざわざ披露する必要がないのでは?」といった中に、他の方からすると宝石のような内容が含まれていることは多いのです。
また、失敗談のような、なかなか人に話しにくいような経験であっても、CEDECという場ではとても貴重な情報になります。
テーマの大小に関係なく、まずは自分が話せそうなテーマで気軽に応募してみてください。