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超早碁九路盤AI対決 結果報告+特別対局解説

結果報告

「CEDEC 2011 超早碁九路盤AI対決」の各種記録がダウンロードできます。

決勝戦まとめ

c11_result.pptx

決勝での組み合わせや、結果などを記録した PowerPoint ファイルです。

対局記録

c11_record.zip

展開すると、records ディレクトリが生成されます。 その下に、AI 同士の対戦を SGF 形式で記録した棋譜ファイルが入っています。 棋譜再現ソフトで読み込むことが出来ます。

(本番での技術トラブルにより、一部の棋譜が記録されていません)

ダウンロード

「CEDEC 2011 超早碁九路盤AI対決」本番に参加した各プログラムのソースコード、開発者本人による技術文書がダウンロードできます。

各プログラムのビルド方法は、それぞれのZIPファイルを展開したディレクトリに入っているドキュメントを参照して下さい。 ビルドと動作の確認は、Windows 7 で行っています。

なお、提供されるソースコードや技術文書に関して、著作権は原作者にあります。 CESAは配布を行うのみで、一切の権利を保持しません。 また、一切の瑕疵責任は、これを負いません。

blast - 下川 和也 (電気通信大学村松研究室)

blast.zip

blast.pdf

Capriccio - 西松 優一 (株式会社スクウェア・エニックス)

Capriccio_110904.zip

Capriccio.pdf

CGELE - 平田 一将 (株式会社フロア)

cgele.zip

cgele_about.pdf

不動碁 (Fudo Go) - 加藤 英樹 (コンピュータ囲碁フォーラム)

FudoGo.zip

FudoGo.pdf

Kasumi - 真鍋 和子 (電気通信大学村松研究室)

Kasumi.zip

Kasumi_Algorithm.pdf

Moskit - 森 大道 (電気通信大学伊藤研究室)

Moskit_UCB.zip

Moskit.pdf

StarCraft - 四方 大介 (アルテピアッツァ株式会社)

StarCraft.zip

StarCraft.pdf

ballade (バラード) - 氏家 一朗

ujjiie.zip

ujjiie.pdf

yayoi - 千葉 勝仁 (株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)

yayoi_cedec2011_20110904.zip

yayoi.pdf

特別企画:王唯任プロ vs 三宅陽一郎

はじめに

CEDEC 2011 では、超早碁九路盤AI対決企画のとりまとめを行った三宅陽一郎(CEDEC運営委員)と、企画にご協力頂いた王唯任プロの公開対局を行いました。この対局についての解説を、王プロご自身によりお寄せ頂きました。 対局の棋譜( Miyayou_vs_Wang.sgf )と併せてお楽しみ下さい。

囲碁棋士 王 唯任

さすがに僕のほうが強い(?)ので、三宅さんの先番(黒)です。

黒1「天元」は9路盤の初手ではよく打たれる手。相手の出方によってどこを陣地にするかを決める作戦だと思います。


白2に黒3は左上あたりを陣地にしたいという打ち方。左上がそのまま黒地になっては大きすぎるので、白4と入っていきました。


黒5と白が右側に入ってこないように止めてきたので、白6と戦いを仕掛けてみました。三宅さんは囲碁では戦いが得意なイメージがあったので、どんな戦いになるか楽しみでした。


黒7、9は堂々とした戦いっぷり。さすが三宅さん、と思ったのですが...

続く黒11がよくなかったです。黒にはAのキズがあるので、そこを守ってほしかったですね。 黒11の手は戦うのが怖くて、戦場から離れてしまったような感じの手でした。


白は12と黒を分断。黒13、15はなかなかの手で、お互いに取るか取られるかの戦いになる感じがしました。


白18は黒△2子を狙った手ですが、三宅さんはちゃんと見えていて、黒19と守りました。以前は守りが苦手なイメージがありましたが、僕としばらく合わない間に三宅さんにも色々あって、慎重に生きることも考えるようになったのかもしれません。


白24までとなって、3箇所の黒と、3か所の白、どちらがどれを取るかという激しい展開になりました。ただお互いに全て無傷で助け出すのは難しいだろうなと思っていましたが…。


黒25がもったいない打ち方でした。もしかしたら怖くなって黒△2子だけを連れて逃げようとしたのかもしれません。しかしここでは、8-五(黒A)に打って、黒△2子を補強しつつ、右上の白□2子を狙うべきでした。なかなか強烈な攻め合いだったので、黒に正しく打たれたら僕も困っていたかもしれません。


白30と打たれて、三宅さんもようやく碁盤全体が見えてきた感じです。もしかしたら白△2子を取っているつもりでいたのかもしれませんが、自分も攻められているのだということに気が付いたのでしょうか、標的を左辺の白に変えて、黒31と攻めてきました。


黒も頑張りましたが、白36までとなっては左上隅の白と上辺の黒の戦いは白の勝ちとなり、上辺の黒△は取られている状態に。上辺の黒が取られてなくなってしまうと、3箇所の白がすべて連絡してしまうことになります。


黒37は左下の黒だけでも頑張って助けたいという打ち方。黒39と打たれて、左下隅の黒は生きたかなと思いましたが…。


続く黒41がちょっと欲張った手で、この手を見た瞬間に、黒を全滅させられる、と思いました。


白42から44が厳しい手で、黒はここで2つの眼を作ることができず、死んでしまいました。


三宅さんも最後の抵抗をします。黒51も頑張った手ですが、この手は僕が相手をしなくても、何も状況が変わらないので、1度パスをしました。


そして最後は盤上から黒の石が全部なくなる形に。



もしかしたら鬼だと言われるかもしれません。でもこれも教え子である三宅さんへの愛情です。これを悔しいと思ってまたぜひ囲碁に取り組んでもらえるとうれしいです。

誤解のないように言っておきたいのですが、普段、アマチュアの方に指導するときに僕はこんな勝ち方はしません。三宅さんというもう囲碁をかなり打てる人が、僕を何度も挑発してきたので、ここはプロの実力を見せなければと思ったからでした。

三宅さんや、ゲーム開発者の皆様にはぜひ、初心者でもこういう思いをしない、囲碁AIを開発してほしいと思っています。

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