レギュラーセッション

キャラクター経済圏とIPクリエーションの視点から望む、ニューノーマル時代におけるメディアミックスの新パラダイム

講演形式
レギュラーセッション
講演時間
08月26日(木) 14:50 〜 15:50
講演ルーム
第1会場
資料公開
予定あり
受講スキル

メディア産業についてのビジネスモデルに関する基礎的な理解

得られる知見

キャラクター経済圏、メディアミックス、トランスメディア・ストーリーテリング、IPクリエーションといった考え方に対する理解やそれらを踏まえたうえでのゲームビジネスの分析に対する視点の醸成

セッションの内容

日本においては、メディア産業の勃興期から長きにわたり、メディアミックスと言う手法がとられ、各メディアでの展開におけるシナジー効果が図られてきた。さらに1978年における『スペースインベーダー』や1980年における『パックマン』そして、1983年におけるファミリーコンピュータの台頭と、ゲームの社会現象化が続く中で、これらメディアミックス戦略の中でゲームも重要な役割を占めるようになり、「ポケットモンスター」では、ゲーム発の知的財産(以下、IP)を中心としたメディアミックスがビジネスモデルとして確立している。その一方で、欧米メディア産業では、00年代前半からその巨大資本を活用し、ひとつのIPを同じ世界観で且つ整合性がある形で複数のメディアを跨いで物語を紡ぎながら、総体として「大きな物語」を展開するトランスメディア・ストーリーテリング(TMS)が行われるようになり、映画、ゲーム、アニメなどで語られる物語を統合化してその全貌を把握できるという物語体験が多くの観客を熱狂に誘っている。このような世界の潮流の中で、日本のゲーム企業は如何なる戦略をとるのが適切なのか?本セッションでは、「キャラクター経済圏」という概念を確立した中山淳雄氏と「IPのつくりかたひろげかた」でIPクリエーションについて持論を確立したイシイジロウ氏が、アカデミックな立場でトランスメディア・ストーリーテリングの研究を進めてき立命館大学映像学部教授の中村彰憲氏をモデレータとして迎え、日本のゲーム企業がこれからの時代にグローバルでメディアミックスを展開するうえでどのような戦略をとるべきかについて、それぞれの知見を示しつつディスカッションをおこなう。

中村彰憲

立命館大学

映像学部

教授

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<講演者プロフィール>

立命館大学映像学部教授。日本デジタルゲーム学会会長。立命館大学ゲーム研究センターセンター長。博士(学術)/名古屋大学大学院国際開発研究科修了。
主な著書に『中国ゲーム産業史』(Gzブレイン)『ファミコンとその時代』(NTT出版、共著)、『なぜ人はゲームにハマるのか』(ソフトバンクパブリッシング、共著)、『中国ゲームビジネス徹底研究』(エンターブレイン)など多数。『ファミ通ゲーム白書』では、中国及び新興市場を、『デジタルコンテンツ白書』は中国市場を担当している。2015年のサバティカルを契機に北米で熱狂が拡がるトランスメディア・ストーリ―テリングについて「ファミ通.comゲーム産業研究ノート:グローバル編」で初リポート。以降、この概念に基づいて、北米IPや国内IPも再分析し、継続的に発表している。


<受講者へのメッセージ>


ひとつのIPを中心にゲームのみならず様々なメディアへ展開するための戦略の多様化が進んでいます。国内でメディアミックスやクロスメディアと言われるこの手法の将来像についてゲーム業界が直面している課題をふまえつつ話し合っていきます。
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イシイジロウ

ストーリーテリング

代表取締役社長

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<講演者プロフィール>

ゲームデザイナー 原作・脚本家
1967年兵庫県生まれ。
リクルート関西支社やカルチュア・コンビニエンス・クラブで広告・宣伝担当を経てゲーム業界に転職。チュンソフト(2000年入社)、レベルファイブ(2010年入社)において、おもにアドベンチャーゲームのシナリオ・監督・プロデュース、ディレクションを務めたのち、2014年に独立。2015年株式会社ストーリーテリング設立。独立後はビデオゲームだけでなく、アニメーションや舞台、ドラマ作品などでも活躍。代表作は「428 ~封鎖された渋谷で~」「タイムトラベラーズ」「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」「文豪とアルケミスト」「新サクラ大戦」「マジカパーティ」など。星海社新書より「IPのつくりかたとひろげかた」「ストーリーのつくりかたとひろげかた」を上梓。

<受講者へのメッセージ>

立命館大学映像学部中村彰憲教授、そして「オタク経済圏創世記」中山淳雄さんとのセッション。どんな科学変化を起こすのかとても楽しみにしています。2020年代日本発世界へのIPの道標が見えてくるようなセッションになる事を願っています。
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中山淳雄

Re entertainment代表 慶応大学/立命館大学客員研究員

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<講演者プロフィール>

エンタメの再現性を追求し、経済圏を創出する(株)Re entertainment代表。DeNA、デロイト、バンダイナムコスタジオ、ブシロードで北米、アジア向けのメディアミックスIPプロジェクト推進、アニメ・ゲーム・スポーツの海外展開を推進。現在は早稲田大博士課程に在籍しながら慶応大学/立命館で客員研究員。著書に『オタク経済圏創世記』(日経BP、2019)『ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか』(PHP、2012)ほか。

<受講者へのメッセージ>

メディアミックスを実践するマーケターとしてお話しながら、メディアミックスの研究者である中村さんと、メディアミックスの根幹をささえるストーリーテラーのイシイさんとのセッションは、かなり面白いコラボになるのではないかと思います。お楽しみに!
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