インタビュー:アカデミック・基盤技術分野
回答者:鳴海 拓志

ご自身が扱う分野の最新の特徴とは?

バーチャルキャラクターやメタバースが注目を集める昨今ですが、それらが実社会で使われるようになるための技術や工夫、そしてそれがもたらす効果などの知見が活発に検討されています。例えば、前者としては表情や生理状態をキャラクターに反映する技術や実世界とメタバースを繋げるロボットアバターの技術、後者としては実身体と異なるキャラクターを使うことが利用者の行動や思考に与える影響の検証などの研究・開発がトレンドになっています。

この分野で特に求めているトピックは?

期待や注目度が高いのはやはりメタバース関連の話題だと思いますので、メタバース関連の基盤技術や知見の講演に加えて、学術的な観点からメタバースの技術動向や展望を紹介するような講演を求めています。また、メタバースの利用浸透やVR/AR/MRの新しいハードウェアの登場の予見も踏まえて、新しい情報環境を前提とした既存のエンターテインメントの枠組みを拡張するようなゲームデザイン・体験デザインの方法論についても是非応募していただきたいと考えています。

運営委員から見た応募することで得られること(ご自身の経験や過去の応募者の声など)

この分野に応募されることが多いアカデミアの方々にとっては、CEDECに応募すること自体が、研究の成果をどう社会と繋げられるかを新しい観点から見つめ直せるとても良い機会になると考えています。発表に対してエンターテインメント業界の方々からいただける柔軟なご意見は、普段の研究活動で考えることとは違う視点を提供してくれて、研究をする上でも良い刺激になった、といっていただけることが多いです。また、そこから共同研究や実用化に繋がるという場合もあります。

CEDECでの登壇メリットについて

特に登壇のメリットがあるよとお伝えしたいのは、エンターテインメント業界に興味のある学生さんです。自分の研究で得られた成果や知見を発表して顔を売ることは、エンターテインメント業界との繋がりを作り出すきっかけになります。チャンスを掴む場として、是非応募していただきたいなと思っています。

公募を検討している方へのメッセージ

エンターテインメント業界の人たちは技術に対してポジティブで、明るく楽しいフィードバックを与えてくれます。アカデミアの方にとってもそうででない方にとっても、CEDECは普段とは違う観点の有意義なフィードバックが得られるお祭りのような楽しい場所です。中でも、アカデミック・基盤技術分野はダイバーシティのある分野だと思っています。CEDECに興味はあるけど、自分の持っている知見はCEDECにふさわしいのかな?とためらう必要はありません。さまざまな方にさまざまな内容でご応募いただきたいです。