CEDEC2025
プロダクション分野インタビュー

PRD

プロダクション分野 増田 謙太郎

プロダクション分野における最新の特徴を教えてください。

増田

プロダクション分野は、プロジェクトや現場の人々・組織に関するプロジェクト・ピープルマネジメント、品質保証やテスト技法・手法に関するQA、ゲーム開発全体のワークフローなど、ゲーム開発を支える様々なトピックを扱っています。

各職種の専門性が年々深まっていることから、各職種をつなぐ役割が新たに生まれ、ピープルマネジメントの重要性が高まっています。

また、生成AI・機械学習の活用が進んだことで、特にQAやワークフローの分野において、既存の延長では考えられなかった自動化の取り組みやフローの刷新がおこなわれています。

この分野で特に求めているトピックを教えてください。

増田

近年のゲーム開発は、組織の大規模化・職能の専門化・開発および運営期間の長期化が進み、プロジェクトマネジメント・ピープルマネジメントの難易度が増しています。これらに対するマネジメントに関する取り組み事例を求めています。

また、QA・ワークフローでは、最新分野の特徴に記載した生成AI・機械学習を活用した事例や、コンテンツの大規模・複雑化に対応するための事例を求めています。

CEDECでの登壇メリットについてはどう感じていますか?

増田

プロダクション分野は、人との関係性を切り離して考えることができない分野です。特に、マネジメントに関わる方・他の職種と比べると新しい職種であるQAエンジニアやSREの方は、組織の中で人数が少なく、孤独であることも多いと思います。だからこそ、組織外のつながりを作り、組織やワークフローをより良くしようと考えている方同士でコミュニケーションを取ることが重要だと考えています。

登壇でCEDECに参加する方法は、セッションを聴講するのみでCEDECに参加する方法より、組織外のつながりを作りやすいです。登壇後のAsk The Speakerでの質疑応答、会場内の交流ラウンジや廊下で行われる聴講者からの感想共有などで生まれたつながりから、意気投合した方々で熱い議論が行われています。その結果、登壇された方は参加者の中で一番多くの知見を得ることになり、より良い仕事につながると考えています。

ご自身の経験や過去の応募者の反応から、応募するメリットはどう感じていますか?

増田

ラーニングピラミッドという考え方に従うと、学んだことの定着率は、学びの方法により、大きく差があります。CEDECでの講演に応募するということは、「人に教える」ことと同じであると考えられるため、読書やグループディスカッションなどと比べると学びの定着率は良いです。普段仕事で取り組まれていることを応募という形で、「皆様からCEDECの運営メンバーに教えていただくこと」は、仕事の理解度をさらに高め、より良い仕事につながるきっかけになると考えています。

最後に、応募するか迷っている方へメッセージをお願いします。

増田

ゲーム業界にとって新たな指針となるような華々しい取り組みについて講演いただくことは、もちろん期待しています。一方、各ゲーム開発現場での泥臭い取り組み、うまくできなかったこと、苦い経験などの講演も重要だと考えています。みなさまのリアルな経験を、ぜひお寄せいただきたいです。

デベロッパー会社に所属している方やフリーランスの方は、携わられたタイトルを公表できない方がいらっしゃると思います。プロダクション分野は、タイトルを公表せずとも講演しやすい、ピープルマネジメント・ワークフローといったカテゴリがあります。みなさまが知見を取り入れ実践された、「ゲーム業界ではまだ広く知られていないが、仕事の中で活用した、情報産業をはじめとする他産業の技術や手法の紹介」をぜひ公募いただきたいと思います。