モンスターハンターワイルズのVFXを支える 風流体・物理挙動・熱伝搬等を統合した GPUジオメトリエコシステム "VORTEXEL"
米山 哲平
- セッション分野
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ENG(エンジニアリング)
- セッション関連分野
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VA
- キーワード
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TAレンダリング
- セッション難易度
- 求められるスキル
- エフェクトに興味のあるプログラマ、VFXアーティスト
具体的なコード説明の部分はある程度のHLSL Compute Shaderの知識を必要としますが
それ以外の概要・理念・活用事例などの説明はプログラマ・アーティスト共に理解いただける内容になる予定です。 - 得られる知見
- 高い生産性と没入感を支える技術情報、表現手法
精度と実行速度のバランスの重要さと何をトレードオフにするべきかの考察
どういった知識や技術レベルで実現されているのか - 写真撮影 / SNS投稿
セッション内容
モンスターハンターワイルズでは時間帯変化だけではなくリアルタイムの気候変動が実現されています。
それにもかかわらず広大で細部までこだわられた世界を彩る膨大なエフェクトの物量と気候パターンの組み合わせに耐え
さらに今作ではより没入感を高めるためにプレイヤーやモンスターによる干渉を随所で可能としています。
それら環境の変動やインタラクションを物理現象として定義し、
一貫した見た目と安定した挙動をシステムとして提供するのが "VORTEXEL"(ボルテクセル) と呼称しているジオメトリエコシステムです。
ガンランスから出る薬莢の一つ一つから、GPU駆動による大量の破片による破砕表現、延焼する草の燃え表現、風による炎や煙の揺らめきまであらゆる所で利用されています。
これによりエフェクトのアセット数、バリエーションを最小限に抑えることを実現しています。
さらにアーティストフレンドリーな仕様にこだわっており、ワンボタンで自動セットアップ、事前ベイク不要で即座に気候や物理挙動に干渉を可能とし高速なイテレーションも実現。
導入コストが非常に低く、物理パラメータから来る高くつきがちなアーティストの学習コストも非常に低くなる工夫もされており気軽に試せるため生産性も非常に高いです。
本セッションではこのVORTEXELというシステムが提供する機能の紹介、
実際のツールの見た目やどうアーティストフレンドリーなのかという解説、
エフェクトユニット以外のユニット間の連携実績、
さらには具体的なCompute Shaderでの実装詳細を交えできる限り解説いたします。
講演者
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米山 哲平
株式会社カプコン