特許出願およびオンライン雑誌記事からみる電子ゲーム技術開発動向 ~特許出願の動向から見る日本の強みと弱み~


講演形式
レギュラーセッション
講演時間
09月06日(金) 16:30 〜 17:30
資料公開
予定なし
受講スキル

電子ゲームに関する基本的な知識

得られる知見

電子ゲーム業界の特許出願件数およびオンライン雑誌記事件数の最新動向

セッションの内容

特許庁は、昨年度に電子ゲームに関する特許出願技術動向調査を行いました。電子ゲーム分野をリードする日本と諸外国(特に米国)からの特許出願/オンライン雑誌記事の件数推移や特定の技術的観点に着目すると、例えば、以下のような差異が見られました。

1.「収益」に関する特許出願動向を分析すると、日本はアイテム課金に関する特許出願が多い一方、米国はアイテム課金に加え、ゲーム内の広告表示や現実のイベントとゲームとを連携させる収益の特許出願が多い

2.電子ゲームの「目的・効果」に着目すると、諸外国では教育・訓練等の特許出願が多い一方、日本の特許出願は少ない

上記差異及び市場動向等に基づいて総合的に分析すると、日本と比較して諸外国(特に米国)は、電子ゲーム分野に関する収益モデルが多角化していること、電子ゲーム以外の他分野へ戦略的に展開していること、が想定されます。

本セッションでは、特許庁のホームページに公開されている電子ゲームの特許出願技術動向調査について紹介すると共に、特許出願/オンライン雑誌記事の技術動向と電子ゲーム分野における市場情報等とに基づいて総合的に分析した結果として、以下の点にも触れつつ説明します。

・日本の強みと弱み、注目されるビジネスモデルの提言と警戒すべき点の示唆

・日本の強みを生かしつつ弱みを守るにはどうしたらいいのか

なお、特許出願技術動向調査は、注目技術について企業情報や市場情報、政策動向、標準化動向を調査し、また、特許文献および論文・雑誌記事については内容を読み込んだうえで独自の技術区分に整理し、用途・構造・目的等複数の観点で解析するものです。さらに、上記調査・解析結果から、日本企業・政府機関が取り組むべき課題を整理し、今後目指すべき研究・技術開発の方向性を明らかとすることを目指しています。

上田 泰

特許庁

特許審査第一部 自然資源(電子ゲーム・学習)

審査官

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<講演者プロフィール>

2005年4月に特許庁入庁後、特許審査業務に従事。その後、情報システム部門等を経て、2017年7月より現職にて電子ゲーム・学習分野の特許審査業務に従事。2018年度に特許出願技術動向調査(電子ゲーム)を担当。

<受講者へのメッセージ>

電子ゲーム業界に関わる特許・知的財産の専門家のみならず、広く企業の方や研究者の方に聞いていただきたい内容となっています。
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