第10会場

8月21日(水)

15:00 〜 16:00

レギュラーセッション(60分)

公募

次世代 NPR の輪郭線表現に迫る!リアルタイムベクトルストローク生成手法 StrokeGen を徹底解剖

川口龍樹
セッション分野
ENG (エンジニアリング)
セッション関連分野
VA
キーワード
レンダリング
セッション難易度
受講スキル
ゲームにおける NPR や輪郭線表現に興味のある方、実装知識のある方
アニメなどのオフラインの NPR 表現に興味のある方、実装知識のある方
新しい NPR 表現に興味のある方
得られる知見
GPU-Driven Real-Time Mesh Contour Vectorization の内容
リアルタイムのベクトルストロークで得られる表現
StrokeGen を実用化する際の課題
写真撮影 / SNS投稿
通訳の種類
なし
お気に入り登録 アイコンについて

セッション内容

NPR 表現において輪郭線は非常に重要な要素です。
現在のゲームにおいては、軽量かつシンブルでリアルタイム用途として優れた押し出し法や画像処理フィルタを用いた輪郭線表現が主流になっています。
しかしこれらの手法は線の入り抜きのような繊細な線幅の調整などが苦手なため、よりイラストらしい高度な表現には適していません。

2022年に発表された論文 "GPU-Driven Real-Time Mesh Contour Vectorization [Jiang et al.]" とその Unity 実装 である StrokeGen は、ベクトル化された輪郭線のストロークをリアルタイムに生成する手法です。
リアルタイムのベクトルストローク描画は従来の輪郭線手法では為し得なかった様々な表現をもたらす可能性を秘めており、次世代のゲーム NPR 表現の一つの要素として StrokeGen は非常に期待の持てる技術です。

本セッションでは、StrokeGen のアルゴリズムについて詳しく解説し、どのようにしてリアルタイムにベクトルストロークを生成するのか、そのストロークを使ってどのような表現が可能になるのかを紹介します。
さらに、実際にゲームで StrokeGen を利用しようとしたときにどのような問題が現れるのか、どのように対策すべきなのかについての説明も行います。
また、アニメなどのオフラインの輪郭線表現から見たときに StrokeGen にどのような特性があるのかについても考察します。

次世代のゲーム NPR 表現について一つの可能性を提示し、現在様々なルック開発に取り組む方々の一助になれば幸いです。
論文の内容の解説は少し辛口ですが、新しい輪郭線表現の絵だけに興味のある人にもこの手法の特徴が伝わるように心がけます。

講演者