受講スキル | コンピュータ・グラフィックスの基礎知識 |
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受講者が得られる | モンテカルロレイトレーシングの原理とそのGPUへの実装方法 |
セッションの内容
近年、ゲームグラフィックスにおいてAOや間接照明などの近似手法が盛んに研究開発され、ゲームに用いられてきています。これらの大域照明のアルゴリズムで解こうとしているのはレンダリング方程式であり、その解を求める有力な方法としてモンテカルロレイトレーシングがあります。リアルタイムの大域照明の近似手法を研究開発するためにその解を求める方法の仕組みを知っておくことは、リアルタイムの手法においてどのような近似をするべきかなどの決定をするのに役立ちます。本セッションではまずモンテカルロレイトレーシングを数式をなるべく使わずに直感的に理解できるように説明します。そしてリアリスティックなマテリアルはどのような構造になっており、それらをどのように表現し、どのように計算するのかを説明します。最後に計算負荷の高いレイトレーシングをOpenCLを用いて実装し高速化する方法を説明します。
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原田隆宏
Advanced Micro Devices, Inc.
Takahiro Harada is a researcher in AMD's office of the CTO where he is exploring the possibility of GPU computing, mainly focusing on application to physics simulation. Before joining AMD he engaged in research and development on real-time physics simulation on not only PC but also game consoles at Havok. Before coming to industry, he was in academics as an assistant professor at the university of Tokyo where he also earned his Ph.D. in engineering.
原田隆宏は、AMDのCTO総長室のリサーチャーであり、GPUコンピューティングの実現性においてその可能性の追求に勤しんでいます。主には、フィジックスシミュレーションに対するアプリケーションにその焦点を当てています。以前は、Havokにて、PC上だけではなく、ゲームコンソール上でのリアルタイムフィジックスシミュレーションの研究、開発に携わっていました。現在の開発分野に携わる前は、東京大学にて助教授を努めていました。同校にては、エンジニアリング分野で博士号を取得しています。