レギュラーセッション

FINAL FANTASY XVI:サウンド開発日誌 ~迫力の演出の裏の、地味な実装の工夫たち~

対象プラットフォーム:コンシューマ
講演形式
レギュラーセッション
講演時間
08月24日(木) 11:20 〜 12:20
講演ルーム
第10会場
受講スキル

・ボイス実装のワークフローの基礎知識、またはオブジェクトベースでのサウンド再生の基礎知識は必要です。

・ボイスファイルの多言語同時実装に従事されている方、興味のある方

・ボイス編集のDAWソフトとしてReaperを用いており、そのカスタムに興味ある方

・AAAタイトルにおける空間音響の設計に興味のある方、動的リバーブの導入を検討している方

得られる知見

・大規模開発に臨むサウンドデザイナー・ダイアログエディターの心構え

・大量のボイスファイルの管理・実装の効率化の手法や選択肢

・動的リバーブの活用における、パラメータの具体的な生成方法とリバーブエフェクトとの紐づけの事例

・3Dゲーム内で、「より自然な」サウンドの定位を目指す上でのアプローチの実例

・リモートワーク環境下や言葉の壁のある中での開発に、どのような課題があり、どう対策をしたかの事例

セッションの内容

本セッションは、『FINAL FANTASY XVI』開発における、サウンド実装の様々な工夫や効率化の試み、またそれらの実装の中で発生した問題や解決に向けた試行錯誤の過程を紹介するものです。

内容を大きく、「ボイス実装」パート、「空間音響」パート、の2パートに分けて解説します。

「ボイス実装」のパートでは1言語25000ファイルにも及ぶボイスファイル6言語分を、どのように効率的に、また並行して収録から実装まで行ったか

「空間音響」のパートでは、FF16のダイナミックでバリエーションに富んだマップ上で3Dサウンドを如何に統一感をもって自然に聞かせられるよう実装したか

それぞれの過程におけるユニークで実用的な工夫を、実例を交えて紹介します。

<ボイス実装パート>

・編集済みボイスのボイスアセット化を自動生成で行うツールの活用、その利点と欠点

・pythonを用いた納品データ検品の大幅な効率化

・ボイス収録~編集をより効率的に行うためのReaperセッションのカスタム紹介

・リモートワーク環境や言葉の壁のある中において大量のボイスファイルを扱う上での、部署間をまたぐ連携協力の大切さ

<空間音響パート>

・広大なフィールドでシームレスな残響表現を実現するための動的リバーブの採用と、FF16固有のカスタムの工夫

・インテリア機能の拡張とパンニング収束を活用した、音源方向の自然な遷移の実現

・FF16におけるサウンド遮蔽と経路探索の考え方、そしてサウンドフィルターとの住み分け

などを取り扱います。

絹谷 剛

株式会社スクウェア・エニックス

サウンド部

サウンドエディター

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<講演者プロフィール>

2012年 株式会社スクウェア・エニックス入社
「 FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn 」より「 FINAL FANTASY XIV 」のサウンドデザインを担当

「 FINAL FANTASY XVI 」では主に環境音の実装を行いました。
3Dゲームのサウンド体験がプレイヤーにとってより豊かなものとなるべく、サウンド空間演出やバーチャルサラウンド技術の研究などにも日々取り組んでいます。
CEDEC 2016・2022登壇

<受講者へのメッセージ>

開発に携わった沢山のサウンドデザイナーから集めたトピックを元に、出来るだけ多くの事例を紹介したいと思います。
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木部 寛之

株式会社スクウェア・エニックス

サウンド部

サウンドエディター

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<講演者プロフィール>

レコーディングエンジニア、ダイアログエディター。
「声」に関することならジャンルやプラットフォームを問わず携わり、都内ゲームメーカー兼録音スタジオの勤務を経て、2016年スクウェア・エニックス入社。
主な開発タイトルは『ファイナルファンタジーXV』『ファイナルファンタジーVII リメイク』『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』等。
前職からの経験を活かし、社内スタジオの構築も手掛ける。

<受講者へのメッセージ>

ボイス作業って地味ですよね。地味だけど欠かせない存在でありたい。
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久保田 真梨

株式会社スクウェア・エニックス

サウンド部

サウンドエディター

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<講演者プロフィール>

2020年 株式会社スクウェア・エニックス入社
サウンドデザイナーとして、「 FINAL FANTASY XVI 」では主に環境音を担当

<受講者へのメッセージ>

プレイヤーがゲームの世界に没入するために、空間音響デザインは非常に重要です。
FFXVIでもデザイナーの様々なアイディアを元に、より没入感の高い音響体験を目指して機能実装を行いました。
本セッションでは、自然なサウンド表現を実現するために行った工夫を具体的にお話しします。
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松尾 友弥

株式会社スクウェア・エニックス

サウンド部

サウンドエディター

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<講演者プロフィール>

株式会社CRAZY TVでテレビ番組を中心としたさまざまな映像コンテンツの整音、ナレーション収録、ミックス業務を経験した後、株式会社レベルファイブでアニメのアフレコ・ダビング業務、ゲームボイス収録・編集業務を担当。
2021年株式会社スクウェア・エニックスに入社し、「 FINAL FANTASY XVI 」のボイス編集、実装業務を担当。

<受講者へのメッセージ>

大量のデータを扱うのがちょっとだけ楽になる工夫についてご紹介できればと思います。
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共同研究・開発者

吉川 智洋(株式会社スクウェア・エニックス/プログラマー)
南 明宏(株式会社スクウェア・エニックス/プログラマー)