マルチエージェントシステム、協力システム、特に全キャラクターを管理する上位の存在が存在しない世界構築に興味がある方。キャラクター間のコミュニケーションや交渉、制限のある知覚や知識内でのプランニングに興味がある方。
共有メモリを用いて全キャラクターを管理する上位の存在を必要としない、マルチエージェント協力システムの設計方法を学び、実践することで、プレイヤーの没入感を高めることができます。
本セッションでは、キャラクター(エージェント)を管理する上位の存在(スーパーエンティティ)を用いない『マルチエージェント協力システム』を取り上げます。この手法を用いることによって、AIキャラクター同士の協力行為は、共有メモリを用いた上位の存在が全キャラクターの管理を行う古典的な協力システムよりも自然で信憑性の高いものとなります。キャラクターは自分が知っていることでしか計画を立てられず、その中で仮説を立て、他のエージェントと会話を行い、協力を得なければなりません。キャラクターは互いに実際のコミュニケーションをとる必要があるため、開発者はキャラクターの見かけ上の協力行為の表現を目的に、表面上の会話や行動を用意する必要がありません。この手法は、メッセージングシステムを備えたGoal Oriented Action Planning (GOAP)と呼ばれるプランニング技術に基づいています。実装例として、2つの異なる実験的プロジェクト、キャラクターインタラクションプロジェクトとRPGバトルプロジェクトを紹介させていただきます。