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ミライノカーリング:リアルとデジタルが交差する次世代スポーツ体験システム

竹川 佳成

相原伸平

片山大輝

セッション分野
AC(学術研究)
キーワード
ゲームAI
アナログ/体験型
対象プラットフォーム
コンシューマ
セッション難易度
求められるスキル
CEDECの学術研究分野、特に以下の技術領域に興味がある方に最適です。

・エンターテインメントに利用可能な先端的なインタラクション技術
・先端技術による体験の拡張
・エンターテインメントコンテンツ制作のためのAIと人の共創支援基盤技術
・人間の動作や感情を取得するセンシング技術

本発表では、専門的な数式や高度なアルゴリズムは扱わず、実装の考え方や設計思想を中心に解説します。ゲーム開発、インタラクティブコンテンツ制作、体験デザインに携わる、すべての方に対して、知見の得られる内容となっています。もちろん、カーリングを知らなくても大丈夫です。
得られる知見
本発表では、実世界のスポーツ体験をそのまま再現するのではなく、そのスポーツの特徴を引き出すように設計するという考え方に基づいた体験設計の指針を得ることが出来る。特に、公式ストーンやブラシといった実物の用具をそのまま入力デバイスとして扱い、IMUセンサ情報をUnity上のカーリング用ストーン物理シミュレータへリアルタイムに反映することで、身体操作とゲーム内挙動を強く結び付ける手法は、他のスポーツやフィジカル系コンテンツにも応用可能である。

さらに、本システムは現実のカーリングの物理状態を忠実に再現しているため、投げる位置、投げ方、回転を変えて事前に軌道をシミュレーションできるだけでなく、投げた後に周囲のストーンも含めた盤面変化を確認できる。この仕組みは体験システムとしてだけでなく、実際のカーリングの現場における戦術研究やトレーニングツールとしても応用可能である。これらの実装技術と設計思想は、スポーツゲーム開発や体験型エンターテインメントの開発に活かすことができる。
写真撮影 / SNS投稿
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セッション内容

カーリングは「氷上のチェス」と呼ばれるほど戦略性が高いが、専用の氷上リンクが必要という障壁で、体験が限られた種目である。本発表では、カーリングの魅力を誰でも、どこでも体験できる「ミライノカーリング」を紹介する。本システムでは実際の公式ストーンとブラシを操作デバイスとして使用し、本物の重量感や投げる感覚を再現している。これらにIMUセンサーを装着することで、投げ動作や掃き動作を計測し、Unity内の物理シミュレーションによりリアルタイムにストーンの軌道を再現する。プレイヤーは狙う場所を選択することで、初心者でもカーリングの戦術的な面白さを体験することができる。さらに、勝率や期待スコアを分析する戦略AIが対戦相手として機能し、自分の投げがAIの次の一手にどう影響するかを目の当たりにできる。本体験システムは2025年大阪・関西万博「Sports Future Lab」にて展示を行った知見も含め、身体性とデジタルを高度に融合させ、誰もが楽しめる新しいスポーツエンターテインメントを構築するための技術的アプローチを紹介する。

講演者

  • 竹川 佳成

    竹川 佳成

    公立はこだて未来大学

    システム情報科学部  教授

    講演者プロフィール

    2007年大阪大学大学院情報科学研究科博士課程修了.同年神戸大学自然科学系先端融合研究環重点研究部助教.2012年公立はこだて未来大学システム情報科学部助教.2014年同大学システム情報科学部准教授を経て,2022年同教授.現在に至る.2011年MIT Media Lab.でAssistant Visiting Professorを兼務.2019年University of SussexでVisiting Readerを兼務.博士(情報科学).ヒューマンコンピュータインタラクション,スポーツテック,アニマルコンピューティング、学習支援の研究に従事.

    https://xfuture.info/

    受講者へのメッセージ

    カーリングを知らない人でも、20kgの公式ストーンを押し出した瞬間、戦術と身体感覚がつながる面白さに気づきます。本講演では、実物デバイス、IMU、Unity物理シミュレーション、戦略AIを融合した「ミライノカーリング」の開発と万博展示の知見を紹介します。スポーツを“再現”するのではなく、“ゲーム体験として再設計する”ヒントを持ち帰ってください。

  • 相原伸平

    相原伸平

    国立スポーツ科学センター

    スポーツ情報処理技術研究室  室長

    講演者プロフィール

    (独)日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター 国立スポーツ科学センター スポーツ情報処理技術研究室 室長.(株)日立製作所中央研究所を経て,2016年より国立スポーツ科学センターに入職,2024年より現職.センシング技術,画像処理,機械学習を背景に,情報技術を活用した競技スポーツ支援に関する研究・開発に従事.日本機械学会スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス部門 スポーツ情報委員長,情報処理学会スポーツ情報学研究会 幹事等を務める.

    受講者へのメッセージ

    (独)日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンターでは、アスリートが世界の舞台で活躍できるよう、様々なスポーツ医・科学研究を行っています。本発表では、カーリングを通じて、トップアスリートの活躍を支えるテクノロジーに触れることができます。カーリングは「氷上のチェス」とも称される戦術性の高いスポーツで、選手たちは氷上で緻密な駆け引きを繰り広げています。私たちは、そうした選手たちを支えるために、試合状況を読み取り、戦術を評価・構築する新しいAIの実現を目指しています。世界と戦うアスリートを支える最先端の戦術分析AIとの駆け引きを、ぜひ“ミライノカーリング”でご体験ください。

  • 片山大輝

    片山大輝

    公立はこだて未来大学大学院

    システム情報科学部  学生

    講演者プロフィール

    2022年,公立はこだて未来大学 システム情報学部入学.2026年より同大学大学院 システム情報科学研究科に進学.現在はスポーツテック分野を中心に「ミライノカーリング」を用いた研究に取り組んでいる.

    受講者へのメッセージ

    私自身、このシステムの開発・展示を通じて、リアルな道具とデジタル技術をつなぐことの難しさと面白さを肌で感じてきました。展示では、カーリングを初めて体験する方々が純粋に楽しんでいる様子を間近で見て、体験設計の可能性を実感しました。スポーツ、ゲーム開発、インタラクション技術など、どんな背景をお持ちの方でも、何か持ち帰れるものがあるセッションだと思っています。ぜひ一緒に楽しみましょう。

アピール動画

共同研究・開発者

吉田颯平(1) 飯坂千尋(1) 潟沼美紀(1) 相馬そのみ(1)高橋玄(1) 田久保祐生(1) 中西瞳俐(1)
村松良祐(1) 森田理央(1) 山中将治(1) 片山大輝(1) 齊藤良輝(1) 森遥菜(1) 陳冠宇(1) 片桐諒祐(4)
千葉麟太郎(5) 曽根忠瑛(2,3) 相原伸平(2) 姜南圭(1) 竹川佳成(1)
(1) 公立はこだて未来大学
(2) 国立スポーツ科学センター
(3) 神奈川大学
(4) 信州大学
(5) 北海道大学