7/23 第7会場 公募 10:50-11:50 60 レギュラーセッション Ask the speaker

「間違い探しで消耗していませんか?」 ~ 画像認識技術による監修支援システムとその評価設計

林 智宏

石原健司

田中大樹

セッション分野
ENG(エンジニアリング)
セッション関連分野
PRD
キーワード
LLM/VLM
モデル学習
QA
対象プラットフォーム
なし
セッション難易度
求められるスキル
・ビジュアル素材の開発・監修業務に携わる方
・制作現場へのニーズや課題解決に興味をお持ちの方
得られる知見
・画像認識技術を活用し、監修現場の課題解決につなげるための知見
・監修支援システムを実運用し、評価・改善していくための知見
写真撮影 / SNS投稿
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セッション内容

本講演では、バンダイナムコ研究所が開発した監修支援システムを題材に、監修工程において「汎用的な監修支援」を実現するためのシステム設計と評価設計の考え方を解説します。

ゲーム内のビジュアル素材の監修工程では、修正指示の往復に伴う工数や、デザイン不一致の見落としが負担として蓄積します。
特に繁忙期には確認が追いつきにくく、設定との整合性が崩れることで品質リスクとして顕在化します。

本プロジェクトは、現場からの「非クリエイティブな業務負担を軽減したい」という要望を受けて立ち上がりました。
本プロジェクトでは、近年の画像認識技術の進展に着目し、監修工程における「確認」および「指摘」作業を支援する方法を検討しました。
一方で、実運用に耐える形にするためには、次の3つの課題を克服する必要があります。

1. 汎用性:従来の画像認識では検出対象(衣装・パーツ等)ごとに個別開発が必要になりがちで、汎用化が難しいこと。
2. 運用面:従来の業務フローを大きく変えずに日常的に利用できる操作性を確保しつつ、高い品質基準に耐えること。
3. 評価面:監修支援の性能を比較・改善するための評価用NGサンプルが不足しがちなこと。

講演では、これら3つの課題解消を前提に、「汎用的な監修支援」を成立させるためのシステム設計と評価の考え方を紹介します。
あわせて、評価用NGサンプル不足への対応として整備した検証用データセット「Komachi-CHOCO」についても紹介します。
「Komachi-CHOCO」は、バンダイナムコ研究所の自社キャラクター「ミライ小町」を用い、監修支援に特化した画像認識能力を評価するためのデータセットです。
同分野・同課題に対する技術研究を促進することを目的に、近日中の公開を予定しています。

講演者

  • 林 智宏

    林 智宏

    バンダイナムコ研究所

    先端技術開発部先端技術課

    講演者プロフィール

    2024年9月に株式会社バンダイナムコ研究所に入社。

    前職では時系列予測モデルの研究開発に従事。
    入社後は画像認識や自然言語処理も対象にし、グループでのLLM活用のための取り組みや検索関連システムの研究開発に従事。
    現在は、本件監修支援システムの研究開発を推進中。‬

    受講者へのメッセージ

    技術の進展が著しい昨今です。
    エンジニアリングやオフィスワークを楽にするツールは進展が著しいですが、一方でクリエイティブ領域へのツール導入には様々なハードルがあり進みにくい性質があります。
    単純にツール導入すれば制作現場の工数を削減できるというものでもないという背景や、では制作現場にはどうアプローチすれば効果があるのか、という話を講演できたらなと考えております。

  • 石原健司

    石原健司

    バンダイナムコ研究所

    先端技術開発部先端技術課  アシスタントマネージャー

    講演者プロフィール

    2020年10月に株式会社バンダイナムコ研究所に入社。

    入社後は前職での自然言語処理分野での研究開発経験を活かした対話や検索関連のプロダクト開発に従事。
    2022年からは画像や動画などのVision領域に範囲を広げ、研究開発及びプロダクト開発を推進中。

    CEDEC講演歴
    ・CEDEC2021:冴えるヒロインの作りかた ~自然言語処理AIによるキャラクター性の抽出と反映への事例紹介~

    受講者へのメッセージ

    ゲーム開発の現場において、監修業務での見逃しはプロジェクトの品質リスクに直結するため、担当者は非常に重い責任を担っています。
    こうした重圧を「気合い」だけで解決するのではなく、近年の画像認識技術を現場に合わせて適切に活用することで、いかに負担を軽減できるかに取り組んできました。
    本講演では、社内業務の効率化を模索されている方々へ向けて、現場の課題に対してどのようなアプローチで検証を進めてきたか、その事例を紹介いたします。

  • 田中大樹

    田中大樹

    バンダイナムコエンターテイメント

    QM室デジタルテクノロジー部クロステック課  チーフ

    講演者プロフィール

    早稲田大学政治経済学部卒。
    2013年から2017年まで映画雑誌・ゲーム系メディアでライターとして活動。
    2017年に株式会社バンダイナムコエンターテインメントに入社。
    現在は社内のデータレイク運用・最新トレンドを取り入れたプロダクトによる業務改善をメインに従事。
    「監修支援システム」にはPMとして参画。

    受講者へのメッセージ

    IP・キャラクターを取り扱うビジネスで「監修業務」は
    ライセンスイン/アウトどちらの分野においても非常に重要です。

    特に、運営が長期化する人気コンテンツはキャラクターの種類・量も膨大なものとなり、
    監修チェックもそれに応じて複雑・高度になるため、良い意味でも悪い意味でも、
    監修担当者が「専門化・属人化」していく傾向にあります。

    そういった課題を解決する手段として、今回ご紹介する「監修支援システム」をバンダイナムコ研究所と協働で技術検証から進めてきました。
    まだ開発中の機能もあるものの、将来的には監修チェックの補助・キャラの設定間違い等によるインシデント防止に活用できる見込みです。

    エンジニア領域に携わる方だけでなく、
    IP・キャラクタービジネスに関わる非エンジニアの方にも本セッションが参考になればと思います。

共同研究・開発者

バンダイナムコ研究所 先端技術開発部先端技術課マネージャー 頼 展韜