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グラフィックデザイナ採用には必須の「ポートフォリオ」の話

■ポートフォリオとは?
 ゲーム・CG業界で「ポートフォリオ」といえば、3DCGや、2DCG、手描きイラスト、デッサンなどをファイリングした作品集のことを意味します。映像作品やモーションの再生ムービーを編集したデータ、それを記録したDVDなどは「デモリール」とよびます。

 ゲーム業界のグラフィックデザイナ採用では、83%の会社が、履歴書と合わせてポートフォリオ(あるいはデモリール)の提出を求めているという調査結果が発表されています(※注)。グラフィックデザイナの場合は、ポートフォリオの内容が、学校の成績や資格取得以上に、重視される傾向にあります。

※注「ゲーム産業における新卒開発者人材育成事業報告書」(社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)/2008年)を参照。


■ポートフォリオの実情
 ほとんどの場合、ゲーム会社のポートフォリオ審査では、人事を担当する部署よりも、ゲーム開発を担当する部署の意見が、より強く影響します。実際に開発プロジェクトを指揮しているディレクタやリーダが、ポートフォリオに目を通し、一緒に働きたい人を選ぶことが多いです。

 審査する側はポートフォリオを通して、応募者がどんなセンスやスキルをもっているのか、どんな個性があるのか、その会社に入って何をやりたいのか、といったことを知りたいと期待しています。応募する側にとってはポートフォリオ審査が、それらをアピールするチャンスとなります。

 しかし残念ながら、学生のポートフォリオには、審査側のニーズを理解できていないものが多くあります。学校の課題を制作順に並べただけのポートフォリオでは、個性や、何をやりたいのかが伝えられず、審査側の心を動かすことは難しいでしょう。

 ポートフォリオは誰のために作るのか?何のために作るのか?ポートフォリオを初めて作る学生は、それらを特に意識して、独り善がりな内容にならないよう、気を配る必要があります。


■業界研究フェア参加者へ向けて
 業界研究フェア2011では、9/6(火)に「センスとスキルをアピールできる、ポートフォリオ(作品集)の作り方 (Part 1)」と題するセッションを、9/8(木)に「同 (Part 2)」を開催します。ゲーム会社やCGプロダクションで、ポートフォリオ審査を担当している方々を登壇者としてお招きし、ポートフォリオに何を期待しているのか、ざっくばらんにお話しいただきます。

 さらに、現在就職活動中の学生のポートフォリオを、登壇者の方々にご覧いただき、好感のもてる点や、もっと努力が必要な点などについて、コメントしていただく時間も設けます。

 ゲーム会社や、CGプロダクションの担当者は、どんな視点でポートフォリオを見ているのか? 本セッションを通して、制作現場の生の声を、参加された皆様に具体的にお伝えしたいと思っています。

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セッションモデレータ
名前:尾形美幸
所属:EduCat

フリーランスのエディター&ライター。EduCatは屋号。「教育」を軸足に、書籍、Webサイト、教材などの、企画・制作・編集・校正を生業に活動中。東京芸術大学大学院修了、博士(美術)。財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)にて、CG・Web分野の教材や、Webサイト コンテンツの企画制作を担当した後、2011年4月に独立。主な編集担当として、CG-ARTSリポート<http://www.cgarts.or.jp/report/index.html>、『入門 CGデザイン』『入門 Webデザイン』(CG-ARTS協会)などがある。共著書に『CGクリエーターのための人体解剖学』(ボーンデジタル)がある。

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