TOPCESAゲーム開発技術ロードマップ
CESAゲーム開発技術ロードマップについて
1.目的
ゲーム開発に関わる様々な技術における最新の動向と、近い将来に活用される可能性のある内容をロードマップとして紹介し、ゲーム開発者、関連する業界者、研究者の活動指針として役立てる。
2.概要
ゲーム開発ロードマップは、CEDECの開発関連ジャンル(プログラミング、ビジュアルアーツ、ゲームデザイン、サウンド、ネットワーク)ごとに設ける(今後必要に応じて見直す)。
CESA技術委員会およびCEDECアドバイザリーボードにて協議して作成する。
ターゲット層は、ゲーム開発に関わる者、関連業界に従事する者、関連するアカデミック分野の研究者または学生とする。
毎年1回CEDEC開催に合せて発表し、継続に情報を提供する。
3.表記
表記にあたっては可読性、および改訂の継続のしやすさを重視する。すなわち、網羅的な技術解説をするのではなく、重要度の高いトピックに絞り、そのトピックを簡略に表記する。1ジャンルあたりA4用紙1枚程度を原則とする。
読み手が本ロードマップに書かれている概要を理解し、詳細については自発的に調べ、勉強あるいは議論することを想定する。
CESAゲーム開発技術ロードマップ2010年版 抄訳見出し
プログラミング分野
- マルチコア/スレッドプログラミング技術
- 生産性重視への移行
- ジオメトリ表現方法の進化
- プリレンダー用手法のリアルタイム化
- ハードウェアによるトポロジー操作
- 動的シミュレーション技術応用の更なる拡大
- 新技術がプランナによって活用されるようになる (その必要がある)
ビジュアル・アーツ分野
- プログラマブルシェーダの活用
- 立体視への対応
- 出力段の多様化、高度化に対応する、高いスケーラビリティの実現
- アニメーションのプロシージャル化が進行
- オーサリングツールと、ランタイムの相互乗り入れ
- 大規模データの取り扱い手法進化 (コンテントパイプライン、アセット管理など)
- 実世界データのサンプリングによるコンテンツ制作
- オープンコンテンツの活用
ゲームデザイン分野
- プレイ環境の多様化(入出力機器、環境)を意識したデザイン手法
- 特定ユーザー層に特化したゲームデザイン
- ゲームデザイン手法の、他分野への応用
- ゲームデザインへの心理学的アプローチ
- ネットワーク環境の発展に伴う変化
- ゲーム性に求められる需要の高度化に対応する制作手法の進化
- ゲームデザインとマーケティング
- ユーザーの動向を基に自動進化するゲーム
- UGC作者に対するインセンティブの確立
- 新倫理基準の策定
サウンド分野
- 信号処理がワークフローの一部となる
- 音声合成、音声解析技術の取り込み
- 3D映像に対する取り組み
- 空間表現、物理的なアプローチの進化
- インタラクティブ系とサンプリング系のハイブリッド化
- 多地域向け、マルチプラットフォーム対応環境の登場
- ボイスチャットなど、音声コーデック利用の加速
ネットワーク分野
- UGCの進展により拡大する「個人データ」の取り扱い
- クラウド技術応用範囲の拡大
- ゲームプレイ環境が偏在化する
- 偏在化するプレイ環境に対応する透過的なアクセス手段、プロトコル、複数ビュー提供技術
- 無線の高速通信網が、更に発展する