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近年の認知科学が明らかにしてきた、感情、身体性、社会性などに関する科学的研究の成果は、
コンピュータエンタテインメントの現場には まだ届いていないようである。
この講演では、コンピュータを用いて創られたエンタテインメント映像やインタラクティブシステムに人を惹きつけるも のとそうでないものがあるのはなぜか、
実世界における人間の活動とインタラクティブ・エンタテインメントシステムを使った人間の活動とはどこが違うか、
メンタルシミュレーションとは何かなど、認知科学の観点に立ってコンピュータエンタテインメントの世界を概観する。
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安西 祐一郎
独立行政法人日本学術振興会
理事長 工学博士
専攻:認知科学・情報科学/独立行政法人日本学術振興会理事長
1974年慶應義塾大学大学院博士課程修了。
カーネギーメロン大学客員助教授、慶應義塾大学理工学部教授などを経て、1993年~2001年同・理工学部長。2001年~2009年慶應義塾長。日本私立大学連盟会長、環太平洋大学協会会長、情報処理学会会長、日本認知科学会会長等を歴任。
現在、慶應義塾学事顧問、文部科学省中央教育審議会大学分科会長、学びのイノベーション推進協議会座長、公益社団法人全国大学体育連合会長等も務める。
20代半ばから一貫して認知と情報の研究に携わり、学習と思考の認知科学、ヒューマンロボット・インタラクションの世界的研究者として知られる。
著書:『心と脳』(岩波新書)、『「デジタル脳」が日本を救う』(講談社)、『教育が日本をひらく』(慶應義塾大学出版会)、『認識と学習』(岩波書店)、『問題解決の心理学』(中央新書)ほか多数。